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個人病医院の院長とその配偶者が遺す相続財産の相続税評価額は高くなる傾向があり、 その結果相続税の負担も大きくなりますので、その後の病医院の経営に支障をきたす可 能性が高くなります。 また個々の資産についての相続人間での遺産分割調整が難航し、スムーズな事業承継 が不可能になるケースもあります。
相続・事業承継対策は医療法人のほうがやりやすい
医療法人の場合には、個人病医院の場合と異なり、相続・事業承継対策は、「出資持分」 で行 われるため、一般的にはその対策をしやすくなります。 ただし、医療法人の場合は、株式会社 や有限会社とは異なり、出資者への配当が禁止されています。したがって、医療法人では「利 益」がそのまま「剰余金」として医療法人部 に年々蓄積されていきます。 この「剰余金」は出資 者の当初の出資額に年々加算されていきますので、年月の経過と共 に出資金の相続税評価 額は高額になっていきます。 したがって医療法人では、相続・事業承継対策がかかせません。
医療法人が講じることができる相続・事業承継対策
●法人成りするときに理事長の出資割合を下げ、後継者の出資割合を増やす
医療法人の設立の際に、将来の事業承継・相続に備え、理事長の出資割合を下げておく こと により、後継者への資産移転を図ることができます。 後継予定者の出資金を親からの贈与によ るときは、かならず「贈与契約書」を作成し、「贈 与税の申告・納税」を行っておきます。
●法人成り後比較的日が浅いうちに理事長の出資持分を後継者に移転する
医療法人を設立して日がまだ浅い間は、剰余金の累積額がまだ比較的少ないため、出資 持 分の評価は比較的低くなります。 このように比較的出資持分の評価額が低いうちは、後継者 への出資持分の生前贈与によ り、後継者への資産移転を図る方法が有効です。
医療法人の出資持分の税法上の評価額の評価は、「取引相場のない株式の原則的評価方 法(純資産価額方式または類似業種比準方式または両方式の併用方式)」により評価 しま す。うち、類似業種比準方式の評価は、「利益3」:「純資産1」の2つの要素割合で、出資持分1口あたりの評価額を算出します。
※医療法人は普通法人と異なり、「配当」を禁じられているため、「配当要素」はありません。
したがって、評価要素割合の高い「利益」を引き下げることにより、評価額を下げ、そのタイミン
グで後継者にできるだけ多くの出資持分を譲渡または贈与により移転させる方法が効果的で
す。 そのために、毎期の出資評価はかならず実行しましょう。
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