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[第17号]新会社法の施行前にできる2つのこと ['05.12.08]

 平成18年5月1日からの施行が有力視されている商法の大改正では、有限会社は株式会社に統合され、有限会社は新設できなくなります。すでに設立されている有限会社については、新会社法施行後も「有限会社」として存続することが認められる一方、「有限会社」を「株式会社」へ組織変更することも可能です。 

 ここで、新会社法施行後にはできなくなることが2つあります。

 1つは、有限会社の新規設立

 もう1つは、有限会社から株式会社への税務上の特典を利用した組織変更

 です。

(1)駆け込みで有限会社を設立する
 新会社法の施行後有限会社は設立できなくなります。
 今後有限会社に例外的な希少価値がでるとお考えの方は、新会社法の施行日までに有限会社の設立登記申請手続きを行う必要があります。

 新会社法施行後は、いつでも有限会社は株式会社に組織変更できますので、新会社法の施行前に新たな会社を設立しようとお考えの方は、とりあえず有限会社を設立しておくのがいいかもしれません。

・有限会社では役員の任期が無期限です。
 株式会社では、2年ごとに取締役の役員変更登記が必要です。新会社法では最長10年まで延長することが可能ですがそれでも10年ごとに登記が必要です。有限会社なら役員変更登記は不要です。

・有限会社では決算公告義務がありません。
 株式会社では決算公告義務があります。現状ではほとんどの中小企業は決算公告を行っていませんが、資本金規制の撤廃により、今後公告義務が強化される恐れもありますので注意が必要です。有限会社なら決算公告は不要のままです。

・消費税の納税義務の免除の特典があります。
 有限会社を設立される場合には、消費税納税義務の免除という特典があります。
 現行消費税法では、資本金1000万円未満の会社については消費税が2年間免除されます。
 なお、この規定は会社の種類は限定されていませんので、現行特別法のいわゆる1円会社(確認会社)でも特典をうけることが可能です。

 一方、新会社法施行後は、有限会社でも得られるメリットがあります。

・社員(出資者)の制限がなくなります。
 現行の有限会社では社員(出資者、株式会社でいうところの株主)の数が50名までと制限がありましたが、この制限がなくなります。これにより、従業員持株会を組織したり、同族会社の認定をはずしたりといったことが可能となります。

・社債の発行が可能となります。
 これまで有限会社には認められていなかった社債の発行が可能になります。これにより、少人数私募債等による資金調達方法の幅が広がります。

(2)新会社法施行前にあえて組織変更する
  新会社法の施行前にあえて有限会社から株式会社へ組織変更する場合には、通常は売却でしか認められていない「資産の評価益の計上」が認められています。
 会社が保有する土地等に含み益がある場合には、評価益の計上によって債務超過の解消や繰越欠損金の有効利用が可能となり、財務内容の改善や資産売却時の税負担を軽減させることが可能となります。
 一方、新会社法施行後の組織変更については、単なる商号の変更と扱われますので、資産の評価益を計上することが不可能となります。
 したがって、含み益を抱える資産を保有する場合には、あえて新会社法の施行前に組織変更することにメリットがあるかもしれません。 

 


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